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JACは入らないとダメ?年会費・受入負担金はいくら?5人雇用の費用試算と加入手続きを行政書士が解説
2026.10.15
特定技能ビザ
はじめに
建設分野で特定技能外国人の受入れを検討している企業様から、JAC(一般社団法人 建設技能人材機構)について次のようなご質問をよくいただきます。
- JACには必ず入らないといけないの?なぜ入るの?
- 結局いくらかかるの?5人雇ったら月いくら、年いくら?
- 正会員と賛助会員は何が違うの?どこに入ればいいの?
- 加入手続きにはどのくらいかかるの?
- 特定技能2号になっても負担金は続くの?
- CCUSはいつ登録すればいいの?
本記事では、これらのご質問に一つずつお答えします。
※本記事は2026年10月時点の情報に基づきます。金額・手続きは改定されることがあるため、最新情報はJAC公式サイトでご確認ください。
結論
- JACへの加入は必須です。建設分野で特定技能外国人を受け入れる企業は、JACの会員(または正会員である建設業者団体の会員)であることが受入計画の認定条件になっています。
- 費用は「年会費」と「受入負担金」の2本立てです。受入負担金は1号特定技能外国人1人あたり月額12,500円、賛助会員として直接加入する場合の年会費は24万円です。入会金はありません。
- 加入は「申請中」では足りません。受入計画の申請時点で加入を完了し、会員証を用意しておく必要があります。
Q1. JACには入らないとダメ?なぜ入るの?
入らないと、建設分野で特定技能外国人を受け入れることはできません。JACへの加入とJACが定めた行動規範の遵守は、国土交通省が定める建設分野独自の受入基準の一つであり、受入計画の認定条件です。
建設分野でこのような仕組みが設けられているのは、主に次の理由からです。
- 不適正な仲介の排除:外国人から高額な手数料を取るブローカーなどを排除し、業界全体で受入れを管理するため
- 処遇の確保:建設業は日給制や重層下請構造が多く、外国人が不当に低い待遇に置かれやすいため、業界共通のルールを設けて監視する必要があるとされたため
- 受入れ後のフォロー:巡回指導、講習、相談窓口などを、個々の企業に任せず業界として提供するため
JACは2019年に、建設業者団体などが共同して設立した団体です。受入企業の負担が重いという指摘は国会でも取り上げられたことがありますが、現行制度では加入が要件となっています。
負担金を払うと受けられる支援
「払うだけ」と思われがちですが、JACでは受入企業・外国人向けに次のような支援を行っています(内容は年度により変わることがあります)。
- 建設分野の特定技能評価試験の実施、無料職業紹介
- 受入れ後講習の受講費用の負担
- 無料の安全衛生教育、日本語講座
- 資格取得等奨励金(外国人本人・受入企業にそれぞれ支援)
- 一時帰国支援、CCUS手数料の支援、労災上乗せ補償制度など
支払っている以上、これらの支援を使いこなすことが費用対効果を上げるポイントです。
Q2. 具体的にいくらかかるの?5人雇えばいくら?
JACに関する費用は次のとおりです。
- 入会金:なし
- 年会費:賛助会員として直接加入する場合は年24万円。JACの正会員である建設業者団体を通じて加入する場合、JACへの年会費はかかりません(所属団体の会費は別途必要です)
- 受入負担金:1号特定技能外国人1人あたり月額12,500円(年額15万円)。2024年7月分から、入国経路や試験区分にかかわらず一律になりました
雇用人数ごとの試算は次のとおりです。
|
|
1人雇用 |
5人雇用 |
10人雇用 |
|
受入負担金(月額) |
12,500円 |
62,500円 |
125,000円 |
|
受入負担金(年額) |
150,000円 |
750,000円 |
1,500,000円 |
|
賛助会員の年会費 |
240,000円 |
240,000円 |
240,000円 |
|
【賛助会員】年間合計 |
390,000円 |
990,000円 |
1,740,000円 |
|
【正会員団体経由】年間合計 |
150,000円 +団体会費 |
750,000円 +団体会費 |
1,500,000円 +団体会費 |
※各外国人について12か月分の受入負担金が発生するものとして計算しています。正会員団体の会費は団体により異なります。CCUS登録料、支援委託費、在留資格申請費用などは含みません。
注意:受入負担金を外国人本人に負担させることは、給与からの天引きを含め、直接・間接を問わず認められていません。
Q3. 正会員と賛助会員は何が違うの?どこに入ればいいの?
JACの正会員は、建設業者団体などです。個々の受入企業は、次のどちらかの方法でJACの構成員になります。
- 正会員団体の会員になる:すでにJAC正会員である建設業者団体(専門工事業の団体など)に所属していれば、JACに直接加入する必要はなく、JACへの年会費もかかりません。費用は所属団体の会費になります
- 賛助会員として直接加入する:正会員団体に所属していない場合や、所属団体がJAC正会員でない場合は、JACに賛助会員として直接加入します(年会費24万円)
どちらを選ぶかの考え方
- まず、自社がすでに加入している業界団体が、JACの正会員かどうかを確認します(JAC公式サイトに正会員一覧が掲載されています)
- 正会員であれば、その団体経由にすることでJACの年会費がかからず、費用を抑えやすくなります
- 未加入の場合は、自社の業種に合う正会員団体の会費・加入条件と、賛助会員の年会費24万円を比較します。団体加入には、業界情報や人脈が得られるといったメリットもあります
- 合う団体がない場合は、賛助会員として直接加入します
なお、団体経由のほうが早く済むとは限りません。団体によっては、入会手続きとは別に受入計画用の会員証明書の交付手続きが必要になるためです(Q4参照)。
Q4. 加入手続きにはどのくらいかかるの?
「1か月くらいかかる」とよく言われますが、実際の期間は加入ルートと申込みのタイミングで大きく変わります。当事務所でお手伝いした事例では、加入完了まで1か月~1か月半程度かかることが多く、この程度を見込んでおくと安心です。
賛助会員として直接加入する場合
JAC公式サイトから入会資料を請求し、エントリーフォームでの申込みと書類の送付を行います。審査は月単位で行われており、毎月25日(正午)までに申込みと書類の到着が完了したものが、翌月第2営業日ごろに承認されるサイクルとされています。
所定の締切を過ぎた場合は次回の審査サイクルに回るため、加入完了までさらに時間を要する可能性があります。書類に不備がある場合も同様です。タイミングを逃すと、それだけ採用予定日が後ろにずれるおそれがあります。
正会員団体を通じて加入する場合|「入会承諾書」だけでは申請できないことも
団体経由の場合、団体への入会が認められても、それだけでは受入計画の申請に使えないことがあります。団体によっては、入会とは別に、受入計画の申請用の「会員証明書」の交付手続きが必要です。
例えば、電気工事業の団体である日本電設工業協会では、入会申込書・推薦書に加え、「会員証明書」交付申請書、誓約書、特定技能外国人材受入リストを提出して会員証明書の交付を受ける仕組みになっており、交付には1か月ほどかかると案内されています。
当事務所のお客様の例では、オンラインで入会を申し込んでから約1か月後に「入会承諾書」が届きました。しかし、その承諾書には「建設特定技能受入計画には使用できない」旨の記載があり、改めて会員証明書の交付手続きを行い、その約2週間後に会員証明書が届きました。入会から会員証明書の取得まで、合計で1か月半ほどかかったことになります。
団体経由で加入する場合は、申込みの前に、受入計画用の証明書がどのような手続きで、どのくらいの期間で発行されるのかを団体に確認しておきましょう。
Q5. 特定技能2号になっても負担金は続くの?
受入負担金は「1号特定技能外国人」1人あたりの負担金とされており、2号特定技能外国人は対象外とされています。
例えば、1号特定技能外国人5人のうち2人が2号に移行した場合、受入負担金の対象は残りの1号の3人となり、月額37,500円になります。
なお、1号の外国人が全員2号へ移行した場合のJAC加入継続や会費の取扱い、移行月の請求の扱いについては、移行前に加入先(JACまたは所属団体)へ確認することをおすすめします。
Q6. CCUSはいつ登録すればいいの?
CCUS(建設キャリアアップシステム)には、受入企業の「事業者登録」と、外国人本人の「技能者登録」があります。
- 事業者登録:受入計画の申請前に完了している必要があります。申請中では認められません
- 技能者登録:外国人が海外にいるか、国内にいるかで時期が異なります
海外から呼び寄せる場合(在留資格認定証明書交付申請=COE)
外国人はまだ日本にいないため、原則として入国後に技能者登録を行います。受入計画の申請時点では技能者登録が完了していなくても構いません。
ただし、入国(就労開始)後は原則として1か月以内に、外国人就労管理システムで国土交通省へ「受入報告」を行う必要があり、受入計画の申請時に未登録だった場合は、この報告にCCUSカードの写しを添付します。入国後すぐに技能者登録を進めましょう。
国内で在留資格を変更する場合(技能実習・特定活動などから特定技能1号へ)
原則として、受入計画の申請前に技能者登録を完了させておく必要があります。在留カードや保有資格の証明書類など、本人の登録に必要な書類を早めに集めておきましょう。
CCUS登録の実務で時間がかかる理由
CCUSの登録は、提出書類がそれほど多いわけではありません。それでも時間がかかる最大の理由は、「何を出せばよいのか分からない」「書類がそろわない」ことです。当事務所でも、初めて登録する企業様ほど書類の準備に時間がかかり、全体のスケジュールが遅れる場面を多く見てきました。
受入計画の申請日から逆算すると、CCUSの事業者登録は、JAC加入とあわせて最初に着手したい手続きです。
JAC加入から受入れまでの流れ
- 建設業許可の取得
- CCUS(建設キャリアアップシステム)の事業者登録
- JAC加入(正会員団体への所属または賛助会員としての直接加入)→ 会員証・会員証明書の受領
- 外国人のCCUS技能者登録(国内からの変更は受入計画の申請前、海外からの呼び寄せは入国後)
- 建設特定技能受入計画の認定申請(外国人就労管理システム)
- 在留資格申請(COE・変更)※受入計画の申請と並行可能
- 受入れ開始 → 毎月の受入負担金の支払い、受入れ後講習、FITSの巡回指導への対応
※CCUS事業者登録とJAC加入は、順番どおりに進める必要はなく、並行して準備を進めると効率的です。いずれも受入計画の申請時点で「完了」していることが必要で、申込書や受付票では認められません。
受入れ後に求められること
- 受入れ後講習:受入れ後おおむね6か月以内に、国土交通大臣が指定する講習を外国人に受講させる必要があります(受講料はJAC負担)
- FITSの巡回指導:国際建設技能振興機構(FITS)が受入企業を巡回し、受入計画どおりの報酬・労働条件かを確認します。賃金台帳や出勤簿の整備が前提になります
- 受入負担金の支払い:受入れ人数に応じて毎月請求されます
外国人雇用は「採用で終わり」ではなく、受入れ後の運用設計が重要です。
よくある誤解|行政書士がJACへの加入申込みを代行できる?
JACへの入会申込みは、受入企業ご自身で行っていただく必要があります。
一方、受入計画の認定申請(外国人就労管理システム)は、行政書士が代理で申請できます。当事務所では、JAC加入の段取りの助言から受入計画の代理申請まで一貫して対応しています。
CCUS登録行政書士によるサポート
那須行政書士事務所は、CCUS登録行政書士として名簿に掲載されており、これまで事業者登録・技能者登録、またその両方の申請を数多く取り扱ってきました。助言にとどまらず、登録申請の手続きそのものに対応しています。
建設業許可、CCUS、JAC、受入計画、在留資格申請まで、建設特定技能に必要な手続きを一体的にサポートします。
- 建設業許可申請
- CCUS事業者登録・技能者登録の申請手続き(必要書類のご案内から対応)
- JAC加入ルートの選択と、申込み・会員証明書取得までのスケジュールの助言
- 建設特定技能受入計画の作成・代理申請
- 在留資格申請(COE・変更・更新)
- 受入れ後の運用(報告・巡回指導への備え)に関するご相談
初めて特定技能外国人を受け入れる企業様にも、必要書類の収集から各種申請まで、状況に応じてサポートしています。継続的に受入れを行う企業様には、受入れ後の運用まで含めた外部サポートもご用意しています。
まとめ
- JACへの加入は、正会員団体経由または賛助会員としての直接加入のいずれかで行います
- 費用は、受入負担金が1人月額12,500円、賛助会員の年会費が24万円。5人雇用・賛助会員の場合、年間約99万円です
- 自社の所属団体がJAC正会員なら、団体経由でJAC年会費を抑えられます
- 加入完了までは1か月~1か月半程度が目安。直接加入は審査の締切日、団体経由は受入計画用の会員証明書の取得手続きまで確認しましょう
- CCUSの技能者登録は、国内からの変更なら受入計画の申請前、海外からの呼び寄せなら入国後が原則です
- JACの支援制度を活用し、受入れ後の運用まで見据えることが大切です
JAC加入や費用についてご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
※2027年4月に予定されている育成就労制度の施行に伴い、特定技能制度にも関連する見直しが予定されています。改正内容は順次解説します。
参考資料(2026年10月15日確認)
一般社団法人日本電設工業協会「特定技能制度(建設分野)」
https://www.jeca.or.jp/publics/index/558/
JAC(建設技能人材機構)公式サイト
https://jac-skill.or.jp/
国土交通省「申請の手引き、様式、システム操作方法【特定技能制度(建設分野)】」
https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/tochi_fudousan_kensetsugyo_tk3_000001_00005.html
国土交通省「建設特定技能受入計画のオンライン申請について」(2025年4月4日)
https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/content/001603430.pdf
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