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建設業許可がないと特定技能は雇えない?受入計画の要件・審査期間・落とし穴を行政書士が解説

2026.10.14

特定技能ビザ

はじめに

建設分野で特定技能外国人の採用を検討する企業にとって、建設業許可と「建設特定技能受入計画」の関係を理解することは欠かせません。

本記事では、建設業許可の必要性、受入計画の認定要件、在留資格申請までの流れとスケジュールを解説します。

次のような企業様に向けた内容です。

  • 特定技能外国人を採用したいが、建設業許可が必要か分からない
  • 受入計画の仕組みや審査期間を知りたい
  • 採用予定日に間に合わせるための段取りを知りたい

※本記事は1号特定技能外国人の受入れを対象としています(2号の要件は別途ご確認ください)。

 

結論|建設業許可は受入れの前提条件

建設分野で1号特定技能外国人を受け入れる企業は、建設業法第3条に基づく建設業許可を取得している必要があります。

通常は許可が不要な軽微な工事だけを請け負う企業であっても、特定技能外国人を受け入れる場合は建設業許可が必要です。

さらに、国土交通大臣による建設特定技能受入計画の認定を受けなければなりません。

 

建設特定技能受入計画とは

建設特定技能受入計画は、受入企業の体制や外国人の待遇などについて、建設分野独自の基準に適合しているかを国土交通省が確認する仕組みです。

申請は「外国人就労管理システム」からオンラインで行います。

 

中小企業がつまずきやすい主な認定要件

建設業許可・CCUS・JACのほか、次のような要件があります。採用を決める前に確認しておきましょう。

  • 人数枠:1号特定技能外国人の総数が、受入企業の常勤職員数を超えないこと(技能実習生・特定活動・特定技能の外国人は常勤職員数に含みません)
  • 月給制:建設分野の1号特定技能外国人は月給制で雇用すること
  • 報酬水準:同程度の技能を有する日本人と同等以上の報酬であること。差がある場合は合理的な理由の説明が求められます
  • 国内人材の確保努力:ハローワークで同じ職種の常用労働者の求人を行っていること
  • 監督処分歴:申請日前5年以内および申請日以降に、建設業法に基づく監督処分を受けていないこと
  • 処遇・育成:技能の習熟に応じた昇給、受入れ後の安全衛生教育などを行うこと

 

許可業種と外国人が従事する業務の関係

受入計画の認定要件としては、取得済みの建設業許可の業種と、外国人が従事する業務が必ずしも同一である必要はありません。

ただし、外国人が従事する業務区分(土木・建築・ライフライン設備)は、本人が合格した試験や修了した技能実習の職種と対応している必要があります。

また、実際に請け負う工事が建設業法上の許可を要する場合は、その工事に対応した許可が必要です。受入計画の要件と、建設業法上の工事請負の規制は分けて確認しましょう。

 

建設業許可から在留資格申請までの流れ

まず建設業許可を取得し、CCUS事業者登録やJAC加入など、受入計画の認定申請に必要な準備を完了させます。そのうえで外国人就労管理システムから受入計画を申請します。

国土交通省への受入計画認定申請と、出入国在留管理庁への在留資格認定証明書交付申請(COE)・在留資格変更許可申請は、並行して進めることが可能です。

ただし、受入計画が認定されなければ、入管の許可等は出ません。

 

スケジュールの目安

  • 受入計画の申請:雇用開始予定日の約6か月前から申請できます
  • 受入計画の審査:認定までの目安は1か月半~2か月程度(補正期間を除く)。地域によってはさらに数か月かかる場合があります
  • 入管への申請:入社予定日の2~3か月前が目安とされています

建設業許可の取得にも別途期間がかかるため、採用予定日や在留期限から逆算して、早めに準備を始めることが大切です。

 

実務で注意したい3つの点

① 建設業許可がないまま採用日を決めないこと

許可取得に必要な経営業務の管理体制、営業所技術者等、財産的基礎などの要件を先に確認する必要があります。許可の見通しが立たないまま採用日を決めると、入社日に間に合わないおそれがあります。

 

② 「特定活動」なら必ず働けると考えないこと

特定活動は指定された活動内容によって就労の可否・範囲が異なります。特定技能への移行準備中であっても、在留資格と指定書等の内容を確認せずに就労を開始することは避けてください。

 

③ 建設業許可と在留資格の予定を別々に管理しないこと

別々の行政書士へ依頼すること自体に問題があるわけではありません。ただし、許可取得時期、受入計画の認定時期、在留期限・入社予定日の情報を共有しないと、採用予定に影響するおそれがあります。

 

CCUS・JACとの関係|「申請中」では認定されません

CCUS(建設キャリアアップシステム):受入企業の事業者登録を完了している必要があります。登録申請中の状態では要件を満たしません。外国人本人の技能者登録も必要ですが、海外から新たに入国する場合などは、入国後の登録・報告に関する取扱いがあります。登録には時間がかかるため、早めの手続きをおすすめします。

JAC(建設技能人材機構):受入企業がJACの賛助会員として直接加入する方法と、JACの正会員である建設業者団体に所属する方法があります。受入計画の申請時には加入を完了し、会員証(または正会員団体の会員であることの証明)を用意する必要があります。入会申込書や受付票では足りません。

 

元請・下請企業の取扱い

元請企業・下請企業のいずれも、受入要件を満たせば特定技能外国人を雇用できます。ただし、適切な施工体制、現場での安全衛生管理、労務管理などが必要です。

 

外国人雇用は「採用で終わり」ではありません

受入計画の認定後も、計画どおりの報酬の支払い、昇給、安全衛生教育、各種報告など、継続的な運用が求められます。採用時の手続きだけでなく、受入れ後の運用まで見据えた体制づくりが、トラブルを防ぐ鍵となります。

 

那須行政書士事務所のサポート

当事務所では、建設業許可申請、建設特定技能受入計画の作成・認定申請支援、在留資格申請(COE・変更・更新)、CCUSや関連制度の運用に関するご相談に対応しています。

建設業許可と外国人雇用の両方を見据え、手続きの順序やスケジュールを整理し、受入れ後の運用までサポートします。

 

まとめ

  • 建設分野の1号特定技能外国人の受入れには、建設業許可と建設特定技能受入計画の認定が必要です
  • 人数枠・月給制・報酬水準など、建設分野独自の要件を採用前に確認しましょう
  • CCUS・JACは申請前に「完了」させる必要があります
  • 受入計画と入管申請は並行できますが、受入計画の認定が出なければ入管の許可は出ません
  • 採用予定日から逆算し、早めに準備を始めることが円滑な採用につながります

ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

 

※本記事は2026年10月時点の制度に基づいています。

参考資料(2026年10月9日確認)

国土交通省「申請の手引き、様式、システム操作方法【特定技能制度(建設分野)】」

https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/tochi_fudousan_kensetsugyo_tk3_000001_00005.html

国土交通省「建設特定技能受入計画のオンライン申請について」(2025年4月4日)

https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/content/001603430.pdf

JAC「建設特定技能受入計画の認定申請について」

https://www.jac-skill.or.jp/howto/qa/06/

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